蛇口のつなぎ目は、水漏れが発生しやすい箇所のひとつです。接続部分の緩みであれば、比較的簡単に修理できます。しかし、水漏れの原因や修理方法などを把握せずに行うのが不安な方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、蛇口のつなぎ目から水漏れが発生する原因と修理方法について解説します。自分で水漏れ修理を行う方はぜひ参考にしてみてください。
蛇口のつなぎ目から水漏れが発生する主な原因3つ
蛇口のつなぎ目は、さまざまな部品を組み合わせているため、水漏れが発生しやすい箇所のひとつです。常に一定の水圧がかかっているので、経年劣化による漏水が生じやすい傾向にあります。
原因①レバー・ハンドルのつなぎ目からの水漏れしているケース
レバーやハンドルのつなぎ目から水漏れが発生している場合、主に2つの原因が考えられます。1つ目は、レバーやハンドル部分に緩みが生じているケースです。接続部分に使用されているボルトやナットなどの部品を締め直すことで水漏れを防げます。
2つ目は、パッキンなどの劣化によって水漏れしているケースです。パッキンは消耗品のため、長年使用していると劣化したり破損したりする可能性があります。新しいパッキンに交換することで、水漏れを解消できます。
原因②スパウトのつなぎ目から水漏れしているケース
スパウトとは、蛇口の水が出る部分のことです。スパウトのつなぎ目から漏水しているときは、主に以下の理由が考えられます。
- 接続部分の破損や緩み
- パッキンの破損や劣化
- カートリッジの破損や劣化
接続部分の破損が原因で水漏れが生じている場合は、部品を新しく交換するか本体を全て入れ替える必要があります。一方で緩みが原因なら、ナットを締め直すといった対応で水漏れを解消できます。
パッキンの破損や劣化が原因の場合は、新しいパッキンに交換することで水漏れを防げます。ただし、自分でパッキンを交換する際は、種類やサイズをしっかりと確認したうえで購入するのが大切です。
カートリッジの破損や劣化が原因であれば、スパウトを取り外して新しいカートリッジに交換する必要があります。カートリッジの交換は比較的容易に行えますが、既存の製品と同じ型番のカートリッジを購入する点を押さえておきましょう。
原因③壁や土台とのつなぎ目から水漏れしているケース
壁とのつなぎ目から水漏れが発生している場合は、シールテープの状態を確認してみましょう。シールテープは、排水管と蛇口部分の隙間を埋めるために使われている防水性と気密性に優れたテープのことです。シールテープが劣化すると水漏れの原因になります。
蛇口を取り外して新たにシールテープを巻き直すことで、水漏れが解消されます。シールテープを巻く際は、蛇口のネジ山を1〜2つ余らせて巻き直すのが重要です。
土台とのつなぎ目から水漏れが発生している場合、パッキンの劣化やジョイントの緩みなどが原因として考えられます。パッキンを新しく付け替えたりジョイント部分を締め直したりしてみてください。
蛇口のつなぎ目の水漏れを修理前にすべきこと
蛇口のつなぎ目から水が漏れている場合、なるべく早急に対処するのが大切です。しかし、事前の準備を怠ると、より被害が拡大してしまう可能性があります。きちんと水漏れに対応するためにも修理する前に必要な準備や手順について紹介します。
蛇口種類を把握する
蛇口にはさまざまな種類があるため、修理する前に既存の蛇口の種類を把握しておきましょう。主に取り付けられている蛇口の種類は、以下の通りです。
- 単水栓
- シングルレバー混合栓
- サーモスタット混合栓
- ハンドル混合栓
単水栓は、水とお湯のいずれかを供給できる蛇口です。万能ホーム水栓や自在水栓など、シンプルな構造を採用しています。主に屋外や洗濯機の蛇口などに設置されています。
シングルレバー混合栓は、1つのハンドルで水量や温度を調節できるタイプです。キッチンなどに設置されている傾向にあります。
サーモスタット混合栓は、一定の温度で水やお湯を供給しやすいタイプです。湯水の量を自動で調節する機能を搭載しているのがメリット。主にお風呂などに取り付けられています。
ハンドル混合栓は水とお湯それぞれのハンドルを搭載しており、各ハンドルを調節することで水の温度を調節するタイプです。築年数の古い住宅で使用されていることが多く、お風呂やキッチンなどに取り付けられています。
道具を用意する
事前に必要な道具を準備しておくことでスムーズに修理を行えます。蛇口のつなぎ目から漏水している際に役立つ道具は、以下を参考にしてみてください。
- モンキーレンチ
- ウォーターポンププライヤー
- プラスドライバー
- マイナスドライバー
- ピンセット
- シールテープ
- キッチンペーパー
いずれの道具もホームセンターなどで手軽に購入しやすいのがメリットです。修理箇所に合わせて適した道具を揃えてみてください。
止水栓を閉める
蛇口の修理に取り掛かる前に、必ず止水栓を閉めましょう。止水栓を閉めずに作業に取り掛かると、蛇口を分解したときに水が噴き出す恐れがあります。また、床下や階下などへ浸水するリスクがあるので注意が必要です。
止水栓は、主に洗面台の下やキッチンのシンク下などに設置されています。修理を行う箇所によって止水栓の場所は異なるため、事前にチェックしておくのが大切です。止水栓が見つからない場合は戸建て住宅なら建築会社、集合住宅であれば管理会社や大家さんに確認してみてください。
水道つなぎ目の水漏れを修理する方法
事前の準備や主な原因を特定できたら、つなぎ目部分の修理を行います。修理方法は蛇口の種類によって異なるため、種類別に分けて解説します。修理したい蛇口と同じタイプの修理方法を参考にしてみてください。
シングルレバー混合栓の修理
シングルレバー混合栓のつなぎ目から水漏れが生じている場合、主に2つの原因が考えられます。1つ目は、パッキンとカートリッジが原因で漏水しているケースです。具体的な修理方法は、以下の手順を参考にしてみてください。
- 止水栓を閉める
- ハンドル部分のネジを緩める
- ハンドルを取り外す
- 既存のカートリッジを取り外す
- スパウトを取り外したあとにパッキンも取り外す
- パッキンとカートリッジを新しい部品に交換する
- 取り外した手順で組み立てる
- 止水栓を開けて作業完了
次にシールテープが劣化しているパターンを紹介します。具体的な修理方法については、以下の手順を参考にしてみてください。
- 止水栓を閉める
- 水栓を反時計回りに回転させて取り外す
- 配管にあるゴミをしっかりと掃除する
- 水栓にある既存のシールテープを取り外す
- ネジ山部分をきれいに掃除する
- ネジ山を1〜2つ残して新しいシールテープを巻く
- 水栓を壁に取り付ける
- 止水栓を開ける
水栓を取り外す際に「水栓取外しレンチ」を活用すると回転させやすく便利です。ただし、無理やり回すと破損する可能性がある点は留意しておきましょう。
単水栓の修理
単水栓は、ハンドルの付け根部分から水漏れが発生するケースがあります。ハンドル内部の三角パッキンを交換することで水漏れを解消できます。パッキンの交換方法については、以下の手順で行います。
- 止水栓を閉める
- ハンドルのネジを緩める
- ナットを緩めてハンドルを取り外す
- 既存の三角パッキンを外す
- 新しい三角パッキンを付ける
- 取り外した手順で組み立てる
- 止水栓を開けて作業完了
単水栓のパッキンは、比較的簡単に交換できます。しかし、ネジの凹凸を潰してしまったり無理やりナットを回したりすると破損に繋がる恐れがあります。自力での作業が困難な場合は、専門業者への依頼も検討してみてください。
サーモスタット混合栓の修理
サーモスタット混合栓で水漏れが生じた際は、パッキンを交換する方法と開閉バルブを交換する方法があります。パッキンの交換方法は、ほかの水栓タイプと同様です。そのため、開閉バルブを交換する方法について紹介します。
- 止水栓を閉める
- 開閉ハンドルを取り外す
- ナットやスペーサーなどを取り外す
- 開閉バルブを引き抜く
- 新規で設置する開閉バルブにスペーサーを取り付ける
- 取り外した手順で組み立てる
- 止水栓を開けて作業完了
組み立てる際は、新規で設置する開閉バルブにスペーサーを取り付けるのがポイントです。誤って既存の開閉バルブに取り付けると再び漏水します。
ハンドル混合栓の修理
ハンドル混合栓には、次の2つの原因と修理方法が挙げられます。1つ目は、パッキンを交換して水漏れを修理する方法です。
- 止水栓を閉める
- 蛇口パイプのナットを緩める
- 蛇口パイプを取り外す
- 既存のパッキンを取り外す
- 新しいパッキンを取り付ける
- 取り外した手順で組み立てる
- 止水栓を開けて作業完了
2つ目は、ケレップとスピンドルを交換して水漏れを修理する方法です。
- 止水栓を閉める
- ハンドル部分のカラーキャップを取り外す
- ハンドル先端のネジを緩める
- ハンドルを取り外す
- パッキンやワッシャーなどの部品を取り外す
- 既存のケレップとスピンドルを取り外す
- 新しいケレップとスピンドルを取り付ける
- 取り外した手順で組み立てる
- 止水栓を開けて作業完了
カラーキャップを取り外す際は、ピンセットやマイナスドライバーなどを活用すると便利です。本体を分解するときに、ほかの部品が劣化していないか併せて確認しておくと安心です。
もし劣化している場合は、ケレップやスピンドルと同じタイミングで交換しておくと再度分解する手間を省けます。
水漏れの原因を特定できない場合は専門業者への依頼を検討しよう
今回は蛇口のつなぎ目から水漏れが発生する原因や、水栓ごとの修理方法について紹介しました。しっかりと手順を理解したうえで必要な道具があれば、自分でも修理可能です。
しかし、水漏れの原因を特定できない場合は、専門業者に依頼するのがおすすめです。原因がわからない状態で修理を行うと、被害を拡大させてしまったり膨大な時間を費やしてしまったりする可能性があるので注意しましょう。