・株式と投資信託の違いがわからない
・自分にはどっちが向いているのだろう
投資を始めるにあたって、このような疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。
株式と投資信託の主な違いは、購入から売却までを自分で行う株式投資に対して、投資信託は運用をファンドマネージャーと呼ばれるプロに任せられる点です。
そのため、投資先やタイミングなどを自分で全て決めたい方には株式投資、プロに判断を任せたい場合は投資信託が適しています。
ただし、他にも異なる点が複数あるので、違いについて理解したうえで自分に合った手段を選ぶのがおすすめです。
そこで今回は、株式と投資信託の違いについて詳しく解説します。より自分に適した投資商品を選びたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
株式と投資信託の違いは?
株式と投資信託には、主に下記の違いがあります。それぞれの違いについて解説するので、参考にしてみてください。
種類/項目 | 株式 | 投資信託 |
運用方法 | 自分で投資判断が必要 | 運用のプロに任せられる |
手数料 | 売買手数料のみ(※証券会社によって異なる) | 購入手数料、信託報酬、信託財産留保額(※ファンドによって異なる) |
必要資金 | 数万円〜(株価によって異なる) | 100円〜(※証券会社によって異なる) |
リスク・リターン | 比較的高い | 比較的低い |
購入できる場所 | 証券会社 | 証券会社、銀行 |
NISA・iDeCoの活用 | 一般NISAのみ | 一般NISA、つみたてNISA、iDeCo |
1.運用方法
株式投資は、銘柄の選定から売却まで全て自分で行う必要があります。投資タイミングを自分で決めたいや応援したい企業がある方などにおすすめです。
一方で投資信託は、ファンドマネージャーと呼ばれるプロに運用を任せられるのが特徴。経験や知識が浅い初心者でも気軽に投資しやすいのがメリットです。なお、投資信託の選定や売却などは自分で行う必要があります。
2.手数料
株式 | 売買手数料のみ(※証券会社によって異なる) |
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投資信託 | 購入手数料、信託報酬、信託財産留保額(※ファンドによって異なる) |
株式と投資信託で手数料は異なります。株式投資の場合、売ったときと購入した際に売買手数料が発生します。プランや約定金額によってさまざまですが、0〜1,000円ほどが目安。また、金融機関によっても手数料は異なります。
投資信託は購入手数料に加え、資産の管理・運用にかかる信託報酬や、換金時に投資家が負担する信託財産留保額などが発生します。金額はファンドによって大きく変わるので、購入する前に交付目論見書をチェックするのが大切です。
最近では、投資信託の購入手数料を無料とする証券会社が増えているため、コストをなるべく抑えたい方はチェックしてみてください。
3.必要資金
株式 | 数万円〜(株価によって異なる) |
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投資信託 | 100円〜(※証券会社によって異なる) |
株式投資は100株単位で取引を行うため、まとまった金額が必要になります。例えば、株価1,000円の株を購入する場合、1,000円×100株で少なくとも10万円ほど必要です。ただし、株式累積投資や株式ミニ投資を活用すれば、少額で取引を行える場合もあります。
一方で投資信託は、株式投資と比較すると少ない資金で始められるのがポイント。金融機関やサービスによっては100円から購入できるため、少額から投資をスタートしたい初心者の方などにおすすめです。
4.リスク・リターン
株式 | 比較的高い |
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投資信託 | 比較的低い |
株式投資は特定の銘柄の株価がダイレクトに反映されるので、比較的リスクが高い傾向にあります。リスクが高い分、優良な銘柄に投資をしていれば大きなリターンを期待できるのが魅力。その反面、最悪の場合価値が0円になってしまう可能性もあります。
投資信託はファンドを通して、さまざまな投資対象に分散できるため、比較的リスクを抑えやすいのが特徴です。ただし、特定の銘柄の株価が上昇しても、わずかなリターンしか得られないこともあります。
なお、投資信託はリスクが低いからといって安全が保障されているわけでないため注意が必要。約5,800を超えるファンドが展開されており、なかにはハイリスク・ハイリターンの商品も存在します。また、元本が保障されていない点も留意しておきましょう。
5.購入できる場所
株式 | 証券会社 |
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投資信託 | 証券会社、銀行 |
株式と投資信託では、購入できる場所に違いがあります。株式の場合は証券会社に限られており、取引するには店舗の窓口かインターネットでの受付になります。
窓口で購入する際は、株式に関する相談などを行えるのがメリットです。一方で、インターネットでの取引と比較して手数料が高いほか、対応時間に制限があるといったデメリットがあります。
インターネットの場合は手数料が安く、店舗の窓口まで足を運ぶ手間を省けるのが魅力。ただし、情報収集などを全て自分で行う必要があります。自分に適した取引方法を選ぶのが大切です。
投資信託の場合は、証券会社や銀行、郵便局などで購入できます。なお、金融機関によって購入できる商品が違ったり、販売期間が異なっていたりする点には注意が必要。購入したい商品が決まっている方は、金融機関の取り扱い商品を事前に確認しておくのがおすすめです。
6.NISA・iDeCoの活用
株式 | 一般NISAのみ |
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投資信託 | 一般NISA、つみたてNISA、iDeCo |
株式と投資信託は、NISAやiDeCoなどの利用できる制度にも違いがあります。
株式は一般NISAのみ購入可能で、つみたてNISAとiDeCoでは個別株の取引は行えません。一方で投資信託は、一般NISAやつみたてNISA、iDeCoの全てで購入できます。
なお、つみたてNISAとiDeCoは購入できる商品が限られているので留意しておきましょう。
株式と投資信託はどっちがおすすめ?
資金や投資スタイルによって適している投資先は異なります。
それぞれの特徴を把握した上で自分に合った方を選んでみてください。
株式がおすすめな人
- 短期間で利益を得たい方
- 大きなリターンを得たい方
- 株主優待が欲しい方
- 応援したい企業が決まっている方
株式投資は、短期間で利益を出したい方や特定の企業を応援したい方などにおすすめ。特に株主優待券を目的に投資を行う場合は、株式投資でしか優待を受けられないので注意が必要です。
株主優待とは、企業が株主に対して自社商品やサービスといった割引券を提供する制度のこと。株主優待を受けるためには「株主優待の割当日」に株主名簿に記載される必要があり、投資信託では株主になれないので留意しておきましょう。
投資信託がおすすめな人
- 分析や情報収集に時間を割けない方
- リスクを抑えて投資したい方
- 長期的に投資をしたい方
- 少額からコツコツと積み立て投資をしたい方
投資信託は、運用する手間を省きたい方や少額で投資を行いたい方などに適しています。ファンドに運用を任せられる分、毎月一定額購入する仕組みを整えれば、時間を有効に活用できるのがメリットです。
また、少額から始められるので、無理なく投資を行えるのも魅力。投資資金を確保するのが難しかったり、リスクを抑えて投資ができたりするため、初心者の方にもおすすめです。
株式と投資信託についてよくある質問
株式と投資信託に関してよくある質問にまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
まずは口座を開設しましょう。オンラインでの口座開設であれば簡単に手続きできます。
最短1〜3営業日ほどで口座解説が可能です。なお、金融機関によって異なる場合があります。
どちらが儲かるか一概には言えません。目標金額やリスク許容度などを考慮して適切な投資を行いましょう。
企業のIRページや Webサイト、新聞、書籍などから入手するのがおすすめです。
株式と投資信託の違いを理解して効率的な資産形成を
株式と投資信託は、さまざまな違いがあるため、異なる点を把握した上で自分に適した投資を行うのが大切です。
- 株式投資はハイリターンを期待できるがリスクも高い
- 少額で分散投資を行う投資信託は初心者向き
- NISAやiDeCoなどを活用できる範囲が異なる
どちらを選ぶべきか迷う場合は、少額から始められるほか、つみたてNISAなどの税制優遇制度をフル活用できる投資信託がおすすめです。
なお、どちらも価格変動リスクがあり、元本が保証されない点は留意しておきましょう。特に初心者の方は、無理のない範囲で小さく始めてみてください。